エイベックスに入社してから7年目の春、私は一大決心をして、全く企業種である保険会社に転職しました。
転職してから約3年が経ちますが、先日、OB訪問に来たとある大学生に受けた質問に、
少し衝撃を受けました。
「エイベックスみたいな有名企業に就職できれば安定した将来が約束されていたのに、
どうして転職したんですか?」と。
・・・ 思わず「保険会社の方が、安定した将来が約束されているよ!」と、本音を言ってしまいました。
学生の中には、“有名企業=将来が約束されている”と考える人がいるのも無理はないかぁ…と考えましたが、結論から言うと、そんなことはありません。
音楽業界は、エイベックスにように有名な企業であっても、そこで働く人間は、
決して安定した将来が約束されているということはありません。
約束されている人が存在している、、、としても、それはごくわずかでしょう。
ソニーやユニバーサルなどの大手レコード会社も然り、音楽業界や芸能に関わる企業は、
とても人の出入りが激しい業界なのです。
やりがいも多い分、労働時間が長かったり大変なこともたくさんある業界なので、
より良い環境を求めて退職していく人が多いのも事実です。
しかし、エイベックスからの「転職」や「退職」は、
決してネガティブなことばかりではありません。
エイベックスという大手レコード会社で得たビジネススキルを買われ、
年収アップの転職を果たしたり、他の企業からスカウトされる人もいます。
エイベックスで培ったビジネスノウハウや人脈を生かして独立起業する人も、少なくありません。
ある種、ビジネススキルを獲得するには、打ってつけの会社であることは間違いありません。
私も、エイベックスに入社をして、様々な人たちと出会い、本当にたくさんのことを勉強させてもらいました。
保険会社に転職をして3年が経ちますが、外の世界に出てあらためて気づくエイベックスの魅力がありました。
逆に、外の世界に出たからこそ気づくダメなところもあります。
自分の故郷の“本当の魅力”は、その故郷を出てみないと気づけないものなのです。
今回は、“エイベックスが良いなと思うこと3選・ダメだなと思うこと3選”を紹介します!
※あくまで個人的な意見です。
●エイベックスが良いなと思うこと3選
1.自分の担当した仕事が、世の中の多くの人に知ってもらえる充実感
エイベックスは、自分自身の担当している仕事が、
テレビや雑誌など様々なメディアに取り上げられることが多くあります。
自分の担当している仕事が上手くいって、さらにそれがテレビや雑誌を通して、
自分の親や友達、見ず知らずのたくさんの人たちに届くなんて、想像しただけでもワクワクしませんか?
“この曲いい!”“このアーティスト好き”“あのミュージックビデオ、超スゴイよね!”
…自分の仕事の成果を、そんな風に喜んでもらえたら誰でもうれしいですよね!
一方、保険会社の仕事は、超地味です。地味な上に、その内容がとても深刻だったりします。
「けがをした」「病気になった」「火事に遭った」「事故に遭った」「賠償金に納得がいかない」「亡くなった」
…保険会社には、毎日このような連絡が何件も入ってきて、様々な細かな手続きがなされているのです。
2.非常識を恐れず、個性や独創性を尊重するエイベックスの社風
エイベックスは、いわゆる“自由な社風”です。
よく就職情報サイトに“自由な社風です”と書かれている企業がたくさんありますが、その比ではないと思います。
小さな話で言えば、服装も髪型も自由ですし、勤務時間も人によって毎日バラバラだったりします(不規則とも言えますが)。
また、常に新しいアイディアや世の中の人が驚くようなことを模索している会社ですので、
“自由な発想”を大切にしています。
極端な例ですが、とある所属アーティストのライブでは、演出の中で、
アーティストが来場者にコンドームを投げたり…ということもありました。
またミュージックビデオの撮影では、エッチなシーンを撮影したり、撮影場所としてラブホテルに行ったり…。
「エッチ」「コンドーム」「ラブホテル」
…保険会社で働いている中では、まず大きな声で堂々と発せられる言葉ではありません。
それがマーケティングやクリエイティブとして成功するのであれば、例え世の中で「非常識」や「不謹慎」とされることも、
OKとする強さを持っているのです。
3.柔軟・寛容であるエイベックス
エイベックスという会社も、そこで働いている人たちも、物事に対する考え方が柔軟です。
流行を生み出すような会社ですから、新しい文化や考え方を取り入れる柔軟さが強みである点は、理解ができるしょう。
アーティストやタレントなど、人そのものを育て、商品化している会社ですので、人間の弱さも理解し、逆境を乗り越える強さを持っている人が多い気がします。
一方、保険会社は、いわゆる“古臭い体質の組織”の代表例と言っても過言ではありません。
普通のサービス業と比べると、お役所以上にお役所的な習慣や文化もたくさんあります。
レコード会社で育ってきた私にとっては、“アホくさ”と感じることもたくさんあります。
私が現在勤務している保険会社は、業界1位の保険会社ですが、“新しいことをやろう、取り入れよう”という社風は感じられません。
…このように、エイベックスは、“華やかな業界”の象徴とも言える企業の1つです。
そして、そんな世界で誰よりも輝くために、前に前に進んでいく強さを持った人たちが多いのです。
しかし、輝くような光があれば、影もできてしまうもの。
良いことばかりでは、ありません。
●エイベックスがダメだなと思うこと3選
では、次に、保険会社に比べてダメだな…と思う部分を紹介していきましょう。
1.休みがない
エイベックスに限った話ではありませんが、音楽・芸能の仕事は、休みがあまりありません。
定時に帰れることも、ほとんどありません(勤務形態や業務内容にもよりますが)。
またエイベックスは土日休みですが、土日はイベントやライブの本番だったりするので、
1週間全く休めないということも十分にあり得ます。
では、その分、代休がとれるかということ、これがなかなか難しいのです。
労働時間という点では、かなりキツイと言えるでしょう。
一方、保険会社は、超絶ホワイトな労働環境です。
保険会社にも、もちろん残業はあります。毎日2、3時間の残業をしたり、
時には休日も一生懸命仕事している人がいます。
しかし、残業時間の管理なども厳しく、残業の理由なども厳しく問われることから、そこには限度があります。
また、保険業界含め金融系の企業は、年に1回~複数回、
必ず約1週間以上の休みをとらなければいけないという決まりのある会社が多いのです。
エイベックスで楽しくてやりがいのある仕事ができていれば、24時間働いていても良い…と、
以前は、私もこういった考え方を持っていました。
ただ、実際に保険会社の超絶ホワイトな環境で働いてみると、
睡眠時間やリフレッシュできる時間が安定的に確保できると、仕事にもプライベートにも
双方に良い影響があるということに気づきました。
もうエイベックスの頃のような生活には戻れないと思います(年齢的にも、体力的にも)。
2.安定がない
そもそも音楽業界を志望するよう人たちの中に、
世の中的な「安定」(=倒産やリストラで失業することがなく、お給料の大きな変動がないけど、その分少しずつ右肩上がりで増えていくような会社)を最重要視して会社を選ぶような人はいるのでしょうか?
実際エイベックスで働いている人の中に、定年までエイベックスで働きたいと思う人は少ないでしょう。
労働時間、刻々と変わる環境変化への対応など、年齢を重ねていくほど正直キツくなります。
一方、大手の保険会社は、一般的に超安定しています。
業績や評価にもよりますが、ある程度までは基本的に右肩上がりです。
あまりにも大幅な給料のアップもありませんが、大幅なダウンもありません。
もちろん、クビなんて普通はありません。
収入が安定して、将来の不安が少ないと何が良いかというと、
やはりライフプランやキャリアビジョンなどが立てやすくなります。
結婚だとか、子育て、マイホーム購入だとか、そういった一般人としての幸せや楽しみが計画しやすくなるのです。
これも人の価値観による部分もあると思いますが、
実際に私が保険会社で働いてみて、そういったことをより強く意識するようになりました。
ただし、完全歩合制の営業職など、一部の職種は、レコード会社以上に超不安定なので注意が必要です。
3. 理不尽に感じることが多い
これもエイベックスに限らず、音楽業界や芸能界、全体に言えることかもしれません。
あり得ないことが通用してしまったり、体育会系なノリだったり、美人やイケメンが得をしたり、職場や現場で怒号が響いたり…理不尽とまでは言い切れないまでも、
結構精神的にキツイこともありな業界が、エンタメの業界です。
この業界は、やはり“分かりやすさ”が大切ですからね。
もちろん、保険会社で働いていても理不尽に感じることはあります。
しかし、保険会社は、モラルやハラスメントに対する考え方が厳しい業界なので、エンタメ業界に比べれば、比ではありません。
…これら悪い点(と個人的に感じている)だけを見ると、いわゆる“ブラック企業”の部類に入るのかなぁと思います。
しかし、エイベックスは、大変なこと以上に、大きなやりがいや仕事に対する充実感が得られるのは間違いありません。
私は、保険会社で働きはじめて約3年が経ちますが、エイベックス時代に比べると、
時間的にも、経済的にも、精神的にも余裕が生まれました。仕事も充実しています。
このような現在の環境があるのは、エイベックスで様々な魅力溢れる人や、尊敬できる上司や同僚に出会い、7年間激しく働き続けた賜物だと思っています。
自分で言うのもなんですが、現在でも、エイベックスで働くことができたことを誇りに思っています。
エイベックスで働きたいと考えている人は、是非とも入社することをオススメします。
絶対に後で、「エイベックスで働けて良かったな・・・」と感じることが多いはずですから。
ちなみに個人的には、マスメディアンという人材エージェントを使い倒して、
入社までこぎつけたクチでした。
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※登録後の面談時に、音楽業界への転職状況についての情報収集や、
相談を徹底的にしてほしい。
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2021 年追記
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なんでも、音楽業界の方が実際の現場や仕事内容などを面白おかしくお話してくれるみたいなので、ちょっと話を聞いてみて、しっかりと情報を集めるのもいいかも知れませんね。